-作品について
わたしにとってキャンバスは、日常のなかで遭遇した言葉や生じた感情の置き場、箱のようなものだと認識しています。
もともと自然や室内の風景を描いていましたが、対象物の輪郭がどこに存在しているのかを意識すればするほど、境界線の曖昧さが増し、今の抽象的な作風に変わっていきました。
何が描かれているのか、その説明や答えが明示されていないからこそ、抽象画を鑑賞することは鑑賞者自身のことを考えるきっかけとなる気がしており、それが抽象画の魅力のひとつだと考えています。
いろんなものに押し潰されてしまいそうになる日々のなかで、鑑賞者ご自身の思索の時間、或いは静謐な時間を過ごしていただ...
-作品について
わたしにとってキャンバスは、日常のなかで遭遇した言葉や生じた感情の置き場、箱のようなものだと認識しています。
もともと自然や室内の風景を描いていましたが、対象物の輪郭がどこに存在しているのかを意識すればするほど、境界線の曖昧さが増し、今の抽象的な作風に変わっていきました。
何が描かれているのか、その説明や答えが明示されていないからこそ、抽象画を鑑賞することは鑑賞者自身のことを考えるきっかけとなる気がしており、それが抽象画の魅力のひとつだと考えています。
いろんなものに押し潰されてしまいそうになる日々のなかで、鑑賞者ご自身の思索の時間、或いは静謐な時間を過ごしていただけたら幸いです。
-画材、場合の数、実物について
わたしが日頃使っている油絵の具の数は、青系のものだけでも30を越えます。何種類もの絵の具を様々な分量で混ぜることにより出来上がる色の数。
「コバルトブルーとオリエンタルブルーとバイオレット」を混ぜた色の上に「セルリアンブルーとホワイト」を混ぜた色を重ねて塗る、そのような作業をひたすら繰り返し何層にもなって最終的に表面に現れる色の数。
色の面、線、点などのかたちを絵の構成物として捉えたときの組み合わせの数。
これらの総数がどれほどのものになるのかわたしのなかでは見当もつきません。そのような状況で何を選んで作品を終わらせたのか、という視点から鑑賞していただくことで、より油絵や抽象画に興味を持っていただけたら嬉しいです。
アナログ作品ならではの良さだと思いますが、Casieでわたしの作品を見つけていただいたときと、実物を目の前にされたときとでは、その絵に対する印象は別のものになるかもしれません。画面上では一色に見えた色も、間近で見ると実は微妙に違う色が複数塗ってあったり。照明の明暗によっても全く雰囲気が異なる可能性もあります。そのような変化も楽しんでいただくことができたなら作者冥利に尽きるばかりです。
油絵や抽象画がお好きな方だけでなく、まだ油絵や抽象画の実物をご覧になったことがない方のもとにも、わたしの作品がお出かけする機会があれば幸いです。