過ぎ去りし光に触れて / さとう｜アートのサブスク/販売 Casie（カシエ）

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アーティスト詳細

四年制大学の教育学部で発達心理学を学び、幼児の心の動きや表現に興味を持ってきました。幼い頃から油絵を描く祖父の影響でアートに親しみ、美術館や博物館にもよく連れて行ってもらいました。独学でペン画や水彩画を始め、筆のほかサランラップ、綿棒、定規など身近な素材を使いながら、視たものを感情で記憶し、繊細な色使いで抽象的に表現しています。制作では細かい作業を大切にし、見る人の心に静けさや安らぎを届けられるよう心がけています。忙しない日常の中で、ふと立ち止まり穏やかな気持ちになってもらえるような作品を目指しています。

作品説明

過ぎ去った日々はもう戻らない。
けれど、その光に触れるとき、幸福も寂しさも同じように胸に満ちてくる。

本作には、幸せな記憶の象徴として2つのモチーフを描きました。
ひとつは桜。
散った桜が水面に落ちて波紋を広げる様子は、これまで乗り越えてきた苦難の軌跡であり、やがてその苦難すらも喜びへと変わっていくことを示しています。

もうひとつは花火。
短いけれど確かに存在する幸せの瞬間を表し、すべてに終わりがあるからこそ、その輝きに気づけるという思いを込めています。

散った桜は終わりではなく、水面に落ちてなお美しい。
輝きに満ちた花火は、その余韻を静かに残してゆく。
...

過ぎ去った日々はもう戻らない。
けれど、その光に触れるとき、幸福も寂しさも同じように胸に満ちてくる。

散った桜は終わりではなく、水面に落ちてなお美しい。
輝きに満ちた花火は、その余韻を静かに残してゆく。
大切な記憶が同じように過ぎ去ってしまったとしても、想い出は消えず、確かにそこにあったことが消えることもありません。年々記憶は薄れていって朧げになっていっても、その存在は決してなくならないのです。

この絵を見る人それぞれが、皆違う幸せな記憶を持っています。
同じ体験をしても同じ記憶はなく、気づけなければ寂しく、気づければなお一層の寂しさが募ります。けれど、その感情を分かち合える誰かがいれば、それはまた嬉しさへと変わっていく。
そんな人の心の機微に寄り添い、それぞれが自分だけの想い出に静かに馳せることができる作品になればと願いました。

表現技法としては、紙コップの白い輪で波紋や水の動きを描き、青の絵の具で空や海を、ピンクの絵の具をサランラップで散らすことで、桜や花火の輝く刹那を表現しています。
一人ひとりの視点によって、まったく異なる印象を受け取れるような絵を目指しました。